短歌を始めたきっかけは?片桐正雄さま

退職後、閑になり、何もしないでいるとダメになると思い、頭と体の鍛錬のために俳句や短歌、ウォーキングを始めた。始めるまでは短歌や俳句に興味も関心も無く、創作の経験もまったくなかった。師もなく所属する会もなかったため、入門書を買い漁り、図書館で万葉集や古今集、芭蕉、一茶、子規、虚子、与謝野晶子、石川啄木、斎藤茂吉、寺山修司…といった全集を借りて勉強した。でも、いくらそれらを読んでも一つとして作品は生まれてこず、結局は自分で見て考え、経験したことを自分の感覚と言葉で表現するしかないということに思い至った。

 

本を作った感想は?

中学を卒業すると親の反対を押し切って憧れの東京に出てきた。働くことに追われ、勉強や読書をする時間もなく、ましてや遊びや趣味などの余裕は皆無。夜学に通っていたが、疲れ果てて勉強どころではなかった。ろくに勉強もしていない人間が本を出版するなど、思いもよらないことで自分自身が驚いている。だから自分の「思想」や半生を短歌や俳句に託し、活字となった「自分の本」を生まれて初めて手にした時は、夢のようだった。と同時に子や孫に何物にも替え難い遺産を残せたような満足感もあった。

 

これからは?

老境に入ってようやく自分自身を振り返る余裕ができた。紆余曲折の半生を憶いつつ、今心静かに短歌や俳句に親しめるようになった日々に感謝している。そして、いつか今日までの集大成を、全集としてまとめたいと夢見ている。

 

今まで出版された作品

『歌集 井中蛙屁』  2006年10月

『句集 緑下雑草』  2006年12月

『短歌集 唯我独詠』 2007年8月

『俳句集 徒然素描』 2008年2月

『短歌集 臥龍啖呵』 2009年4月

『短歌集 老漢酔歌』 2010年11月

『短歌集 百歌繚乱』 2012年2月

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