酒井弘司さま

2011年12月で『朱夏』が100号を迎えたことを機に、旗揚げから17年間のアンソロジーとしてまとめられた『朱夏俳句選集』。朱夏主宰の酒井様にお話をお聞きしました。

 

朱夏について教えてください。
平成6年8月に『伝統を現代に生かし、俳句に「深さ」と「新しさ」を求める』という理念を掲げ創刊。創刊の契機は、昭和50年代に入ってから俳壇での様子を見て考えることがあったこと。この頃は「軽み」議論が盛んで、伝統俳句の機運が盛りあがっている時期でしたが、大方の作品は「俳」に傾き、伝承俳句といってもよい状況でした。そのような時期、小誌であっても旗印を鮮明にした新誌を出そうということでの出発でした。命名は、私が8月生まれで暑いのは大好きだからです。

 

『朱夏俳句選集』を作ったご感想は?
作者が気付いていない誤字なども教えていただき、とても有難く思いました。この価格でのサービスは素人が考えてもかなり厳しいものと思いますが、もし可能ならば有難いサービスだと感じました。

 

『朱夏』のめざすところは?
一人一人、表現しようという人に合わせて、常に新しいものをめざしたい。私にとって俳句は3つの楽しさがあります。1つは俳縁。2つは俳句によって自分史が書けること。3つ目は、言葉がまだ見ぬ一句を拓いていくという力。師匠の金子兜太先生から俳句のことは教わらなかった。すべて句会で学んだ。だから私も師匠と同じで、心の中では「Aさん、型にとらわれて俳句らしい俳句を作っているなー」と思っても言いません。傷つけるから。誰もがプライドがあります。人を育てるには、けなしてはいけないですね。

 

 

酒井様5句より

わが朱夏の詩は水のごと光るべし
立って歩くことのさみしさ月見草
春つかみ大道芸人転倒す
宇宙の人と隣あわせに春の駅
いちまいの若葉いちまいの宇宙
二歩跳んであしたがあるさ雀の子

 

 

『朱夏俳句選集』の装丁はこちらからご覧いただけます。

http://www.eseihon.com/sakuhin-haiku/sakuhin-haiku-1221/