昨日はヒューレットパッカード社主催のセミナーに西脇常務と二人で参加してきました。インディゴというオンデマンド印刷機が印刷業界を変えつつある、という内容でした。そのセミナーの冒頭で、技術革新には「持続的技術革新」と「破壊的技術革新」のふたつがあるという解説がありました。「持続的技術革新」は日々の改善を積み上げながら、常に技術向上していくことであり、「破壊的技術革新」とは今までにない新しい技術が発明されることで、今までの持続的技術革新を陳腐化させてしまうもの、という話でした。

例として、写真技術を取り上げ、10年前までは、写真といえばフィルムであり、その現像技術は持続的に革新されてきたが、デジカメの出現で現像は家庭のプリンターがするようになってしまった。CDも同じように、店でCDを買っていた時代から、携帯プレーヤーの出現で音楽はダウンロードするものになりつつある。同じように、印刷業界でも、現在オフセット印刷が印刷の主流として持続的技術革新を続けているが、オンデマンド印刷という破壊的技術革新が起きつつある。そしてその破壊的技術革新の主役がインディゴという印刷機だ。という内容でした。

印刷業界では今までも何度か「破壊的技術革新」は起きています。ひとつひとつの活字を拾って、版を作り印刷していた活版印刷から、現在のオフセット印刷へ変わりました。現在も印刷通販という破壊的技術革新が起きています。全国から集めた印刷物を、付け合わせをして印刷することで、価格破壊が起き、地方の印刷会社は、持続的技術革新ではとうてい太刀打ちできない価格になってしまいました。

製本業界でも、製本機械の自動化という破壊的技術革新は起きてるのではないか、と思います。今までの製本業は、製本技術や製本知識が売り物だったのですが、自動化された機械が、技術も知識も製本職人の代わりをする、そして、製本の内製化が起きています。一般的な製本はどこでも機械さえ購入すればできてしまう。特殊な技術を持たない製本会社は存続することが難しくなってきています。

では、特殊な技術とはなにか。他の会社ができない、無理だ、やりたくない、に挑戦して仕組み化したものですよね。簡単にはできないことですが、ここに挑戦していかないと、21世紀に生き残れる会社にはなれない。皆が仲良く成長できた高度経済成長期とは違う、厳しい時代を生き抜かなくてはならないのです。

特殊な技術とは、持続的な技術革新で獲得できるものもあるでしょう。絶対の品質、絶対的なスピード、どんな飛び込み仕事にも対応できる、などのサービスなどはその類いでしょう。いま、私たちが取り組んでいる仕事に疑問を持ち、今までのやり方を見直して、常に起こりうる問題を予測しながら、サービスや技術を革新していかなくてはなりません。それと同時に、新商品という、今までの世の中にない、あったらいいなという破壊的技術革新を考え、大きな付加価値を獲得できる技術やサービスも実現していく。それには、常に、他の会社が、できない、無理だ、やりたくない、という「難しい」に挑戦していくスピリッツが必要なのです。