木戸製本所は一年間の仕事のピークである3月も残り一週間となりました。社員の皆さんには、毎日遅くまで、また、交代班の皆さんには、一週間交代での24時間勤務に対応いただき、本当にありがとうございます。3月の方針は「工場優先順位を守ろう」ですが、どうしても仕事が多くなると、早く終わらせて次の仕事へ、という意識が働き、品質チェック、安全確認がおろそかになりがちです。品質事故、人身事故が起きると結果的に大きな時間のロスに繋がってしまいます。急ぐときこそ、チェックシートを確実にチェックし、安全スイッチを切ってから、声を掛け合いながら、仕事を進めてください。また、情報も混乱しやすい時期です。情報の一元化、正確な情報の共有化をしっかりお願いします。

 私たちが仕事をしていく上でも、いろいろな情報があり、立場や状況で自分に都合がよい方向でその情報をすり替えてしまうこともあります。世の中にも情報はあふれているので、真実はどれかを見定めていく目が必要になります。私たちの情報源は多くがマスコミであり、テレビや新聞、雑誌などからいろいろなことを知ります。しかし、注意しなくてはならないのは、マスコミが伝えていることは事実ではあるが真実ではないことが多いということです。美しい海岸のほんの一部にゴミがあるという事実に対して、ゴミがある部分だけを報道すれば、ゴミだらけの海岸、という報道が成り立ちます。真実は、一部にゴミがあるけれど美しい海岸なのに。

 「現代のベートーベン」とマスコミが作り上げた偶像も、耳が聞こえない振る舞いという事実と、佐村河内氏が発表している交響曲、という事実を使って、感動的な話をつくりあげたようにも感じられます。

 小保方晴子さんのSTAP細胞にしても、その論文の価値よりも、リケジョの彼女が研究室をムーミンのキャラクターで飾ったり、割烹着を着て実験している、というおもしろネタ(事実)で小保方さんを祭り上げておいて(研究の内容は全然評価していない)、その研究内容に問題が発生すると、小保方さんはひどい奴だ、というマスコミの横暴を感じます。

 どちらも真実を伝えることを目指しているのではなく、事実を組み合わせておもしろい話を作っている、という共通点があるように感じます。マスコミは売るために、視聴率を稼ぐために、おもしろい事実を情報として流しているということを知っておくべきであり、マスコミが流すことを真実としてとらえないということは、私たちがマスコミと上手につきあっていく方法だと、今回のこの2件の報道は伝えてくれています。

 私たちの会社でも真実と事実があります。売上が伸びたと言う事実があっても、経費が増えて、会社が赤字という状況ではしょうがないのです。会社が大きくなっても、人財が育っていなくては中身のない膨張に過ぎないですよね。どんなに売れる商品をつくっても、その商品を使った人が幸せになれないような商品開発をしてもしょうがないのです。理念に沿った、社員満足とお客様満足を追求しながら、社会に必要とされ大切にされる会社になるために成長していくことが本当の成長になると思います。そのために、人を育て、社会を良くする商品を育て、生産性をあげるために考え行動する組織づくりをしていく必要があります。表面的な事実に惑わされることなく、真実をしっかり見つめる目を養っていきたいものです。