4年に一度、日本で開催される印刷関連の国際展示会IGASが9月16日から21日までの6日間、「印刷は環境と共に進化する」というテーマで東京有明のビッグサイトで開催されました。印刷需要が減少する中、また、印刷産業が製造業からサービス業へと変革が進む中で、印刷業としての強みを活かした新規ビジネスの創出や生産工程をいかに効率化していくか、という内容での出展が多かったように感じます。
私は19日の一日だけ、そして日本ヒューレットパッカード社のセミナーを中心とした視察だったので、会場をざっと見てくることしかできませんでした。全体として感じたのは、機械を前面に出した今までのIGASとは違い、コスト削減や環境対応、小ロット対応、クロスメディアといった問題解決の提案が多かったこと。また、規模も縮小され来場者も少なく感じたこと。いよいよオフセット印刷からデジタル印刷に本格的に移行する気配が感じられたこと。全体としては環境を意識した生産性の向上が今後の印刷業の潮流ということになるのかもしれません。
例えば、各印刷機メーカーが提案しているUV印刷は、印刷が終わった時点でインクが乾燥しているので、待ち時間や紙を置くスペースといったコストがカットされます。高速のインクジェットプリンターのデモでは、印刷されたものがそのまま折り加工、丁合、綴じ、仕上げまで自動化されているため、折り丁合綴じの人員が削減されます。また、オフセット印刷機に抜き型やミシン目などが組み込まれた印刷機では、印刷と別工程での作業が削減されます。ムダの削減イコール環境負荷を少なくする、という視点での提案が多かったと感じます。
私が参加した日本ヒューレットパッカード社のセミナーでは「デジタル化できるものはデジタル化される。印刷もその例外ではない」というテーマで、商業印刷、出版印刷、ラベルパッケージ印刷のデジタル化について、10時から16時までのセミナーでした(ですから残念ながらIGASの視察はセミナーの合間を縫っての視察となってしまいました)。私は出版のセッションに参加させてもらいました。出版界の現状の大きな問題は小ロット傾向が加速することで、一冊あたりのコストが高くなり収益を圧迫していること。その原因として、二次流通(ブックオフなどの中古書店、普通の書店でも中古の本を売り始めている)の拡大、WEBでの情報収集が容易になったことで本が必要でなくなってきている(時刻表や地図、辞典など)、返品率の高止まり(約40%の返本がある)、今後は、人口減少や電子化などでますます小ロット化していくとのこと。その対応策として、自動組版による省力化(電子ブックなどは文字の拡大や縮小などで電子ブック内で自動組版が行なわれていますよね)。標準用紙の設定による在庫紙の削減(ミューズでさえも多くの紙の在庫を持ってしまっている)。在庫の削減(つまり売れる数だけ作る)(ますます小ロット化していく)、新技術の活用(つまりデジタル印刷そして製本、在庫管理までを出版社が行なう)。新技術の活用により、中抜き、印刷製本在庫管理の出版社による内製化がおきてくる。デジタル印刷によるコストの削減により、出版物の仕様(カバーや帯など)も変わっていく可能性がある、という内容でした。
変化がおきると新しいマーケットが生れると同時に、古いマーケットは消えていきます。コスト削減という変化がデジタル印刷を生み出しています。必要なものを必要な分だけ印刷する。予備紙や在庫紙はデジタル印刷の潮流の中では必要でないものとなっていきます。印刷業界のコスト削減は、逆に新しい市場も作り出します。お客様のどの様なコストを当社で削減していけるのか、ここにも今後の当社の進むべきヒントがあるように感じます。

10月のテーマ 力を合わせて結果をつくろう!

どんな仕事もその背景には多くの人の協力があって成り立っています。次工程がお客様、という言葉がありますが、力をあわせていくためにも、次工程がやり易い仕事の進め方を考えていきましょう。また、一つの仕事を目標どおりに仕上げる為には、ひとり一人が目標を設定し、その目標を達成することで納期どおり納品でき、期待どおりの製品を完成することができます。会社の年度の目標も、その達成のために、各グループでの目標達成が必要になり、そのグループの各個人の目標を達成することで実現します。本年度も残り4ヶ月。各グループで、確認し合いながら力をあわせて目標を達成していきましょう。

10月の方針 ありがとうカードを週1枚書こう!

ありがとうカードを書いていますか。9月の方針は「口で伝えて、書いて伝える」でしたが、今月はぜひありがとうの気持ちを書いて伝える月にしましょう。各グループでありがとうカードが飛び交うように、工夫して感謝の気持ちが伝わるように、そして「ありがとうが溢れる会社に?一歩ずつ進んで行く10月にしていきましょう。

2011年9月22日
(株)木戸製本所 代表取締役 木戸敏雄