Gross National Happiness(通称:GNH)という耳慣れない言葉を最近耳にした方も多いのではないでしょうか。日本語に訳すと「国民総幸福度」ということですよね。ブータンのワンチュク国王とペマ王妃が11月15日に来日され、東日本大震災の被災地である福島県相馬市など行く先々で盛大な歓迎を受け、その模様は連日メディアを賑わせました。一連の報道で広く伝わった特徴の一つに、2005年の国勢調査で国民の約97%が「幸せ」と回答していることから、ブータンは世界一幸せな国と言われています。
ブータンは、GDP(国内総生産)ではなくGNH(国民総幸福度)の最大化を目指すことを国のビジョンとして掲げています。GNHという概念は、1972年にブータンの先代国王が提唱し、以来、ブータンの国づくりの柱になっているそうです。東日本大震災以降、経済発展や便利な生活の象徴だった福島原発事故を機会に、本当の豊かさは何なのか、という疑問が生まれてきています。そんな中で、「国民の幸せ」を最大化することを目指した政治をしようと奮闘している、ブータン政府の国づくりが注目されたのだと思います。
日本という国は、人口増加という内需に支えられながら、右肩上がりの成長を続け、GDP(国内総生産)を最大にすることを目指して、その点では一応の目的を達成してきました。にも関わらず、なかなか豊かさを感じられないまま、今後は人口減少による内需の縮小で、経済的にも縮小していく中で、本当の豊かさや幸せを考え直す時代の境目に来ていると感じます。
このように、経済的に縮小することが予測される中でも、一番厳しいのは、私たちのような中小企業です。中長期的に「益々、二極化が進み中小企業の廃業が増える」「企業の海外移転による日本国内の空洞化現象」「良い人財をどのように育成して定着させるか」「新商品や用途開発が遅れている」「寡占化が進む中、独自性づくりをどうするかが曖昧」「生産性をどのように向上させるか」などの課題がたくさんあります。今後は、社会全体が経済的に右肩上がりで推移することは考えにくいことですが、幸福度を右肩上がりにすることは可能ではないかと思います。
「理念と経営」社内勉強会で「ありがとう経営」という言葉が出てきます。「ありがとう経営」とは、「お客様から『心からありがとう』を言われている」「上司、部下、会社が、お互いに『心からありがとう』を言いあえている」「社員さんの定着が良い」「絶えずイノベーションをして、商品、サービス、技術のレベルをあげている」「社長、幹部、現場の人々が三位一体となっている」そのような経営をすることで結果的に売上がアップし、お客様の数が増え、増益していくことを可能にすることが「ありがとう経営」です。社内を笑顔とありがとうであふれることを目指す「ありがとう経営」を実践することで、皆さんと本当の豊かさを実感できる会社を実現していきたいと思います。
ブータンも、現実の国として、当然のように、多くの課題を抱えていると思います。それは例えば、貧困であり、所得格差であり、他国への経済依存です。また、ブータンの人々も、生身の人間ですから、嫌なこともたくさんあり、嫉妬や妬みもあり、怒りたくなることも、なにかを理不尽に思うこともあるでしょう。 でもブータンの人たちは、そういう負の感情を扱うのが上手で、ネガティブなことが起こっても、ネガティブな感情を抱いても、自分の中でうまく対処し、「まぁ細かいことを挙げたらいろいろあるけれど、結局のところ、幸せだよね」と言えてしまう、楽に生きる術を知っている「幸せ上手」な国民性といわれています。
私たちの会社も、多くの問題を抱えています。「笑顔とありがとうがあふれる会社、そして、社員が誇りに思える会社を目指します」というビジョンの実現に向けて、社員総幸福度の最大化を目指していきたいと、今回ワンチュク国王の来日は教えてくれたように思いました。

12月のテーマ 夢に向かって努力しよう!

夢や目標を持って生きることはとても大切なことだと思います。仕事もその夢や目標を達成する手段と考えれば、取り組み方も変わってくると思います。夢や目標の達成には、多くの困難も発生してきますが、夢を明確にすることで、その困難を乗り越えるエネルギーも湧いてきます。夢を実現する為に、自分自身を成長させることもできると思います。

12月の方針 ビジョンシートを完成させよう!

今年もあと1ヶ月。会社の年度末まであと2ヶ月となりました。夢や目標が明確であれば、仕事や日々の生活に取り組む意欲も大いに高まってくるのではないでしょうか。皆さんの経営計画書のビジョンシートは完成しましたか。一年の締めくくりに、ビジョンシートを完成させて、年を越したいと思います。

2011年11月24日
(株)木戸製本所 代表取締役 木戸敏雄