12月19日に『日本でいちばん大切にしたい会社3 』という本が発行されました。法政大学大学院坂本光司教授がシリーズで書いている第3作目になります。人間尊重の経営、どこまでも人を大切にする経営を追求してきた結果として、高い、ぶれない利益を生み出してきている企業が7社紹介されています。その7社の中に新潟の「はんこの大谷」が「障害者の雇用に力を注ぐ日本でいちばん大きなはんこ屋さん」として掲載されています。
社長の大谷さんとは新潟南ロータリークラブでご一緒させていただいているのですが、「はんこの大谷」を全国展開され、現在137店舗、年商24.3億円の売り上げです。社員数は正社員60名、パート社員約550名、正社員の60名うち20名が障害者です。大谷さんは、お母さんが女手ひとつで4人兄弟を育てている姿を見て、進学をあきらめて中学卒業で盛岡のはんこ屋で修業。修行が終わり3.5坪の店を出店しますが、その4年後に「好酸球性肉芽腫」という100万人に一人の難病にかかり医師に「長くは生きられない」と言われますが、7回の入退院を繰り返し奇跡的に回復、今も手術で頭蓋骨を取り除いた部分はへこんだままです。「病気があって自分を律せられるようになって、学歴がないから実績を残さなくてはいけないという思いが強くなった。そう思えば、学歴がないのも、病気もまたありがたい。人間は考え方ひとつで大きく変わる」と大谷さんは言っています。
確かに逆境やコンプレックスは変革のエネルギーになると感じます。倒産の危機を乗り越えたり、下請けの理不尽さを解決するために業種転換したり、人が定着しない悲しさをバネに魅力ある職場に変えたり。当社でも、15年ほど前に、当社の売り上げの50%を占めていた三昌堂様がジョーメイ様と分裂した危機的状況に遭遇し、その危機感から新規の顧客ができ、結果的に売り上げが伸びました。また、1000万円もの刷り直しが発生したことで、品質管理の仕組みが向上したということもありました。
会社だけではなく、個人においても、人生の転機になるような逆境は訪れます。大谷さんが言うように、人間は考え方ひとつで大きく変われるものなのかもしれません。悔しいことがあるから強くなれたり、悲しいことを経験するから優しくなれたり、仕事が多くてやりきれなくて仕事の効率を上げる方法を考えついたり。逆境やコンプレックスは、考え方を変えることで味方にしていきたいものです。
今、実際に当社も逆境にあると言えます。木戸製本所では、勤務変更が多かったり、仕事の予定変更が多かったり、仕事量もピークに比べれば1/3になり、今後も大きく増える見込みはないという状況です。ミューズも今年は昨年の売り上げを下回り、お客様にとっての「抱きしめていただける本」に向けて、試行錯誤を繰り返している状況です。
大谷さんははんこ屋が全国展開するなんて、と同業者に笑われながら、実際にビジネスモデルを作り上げていきました。私たちも、逆境であるという現状を認識し、全員で知恵を出しながら、考え方、発想を変えていくことで、ピンチをチャンスに変えていきたいと思います。
最後になりましたが、社員の皆様には、誠実に、熱意を持って一年間、仕事に対応いただき本当にありがとうございました。中小企業にとって厳しい時代がまだまだ続くと思われます。来年は、お客様の立場、最終ユーザーの立場で考えることで新しいチャンスが生まれる一年であることを願っています。そして、当社が「ありがとうと笑顔があふれる会社、社員さんが誇りに思える会社」に向けて一歩ずつ進んでいく一年にしていきましょう。

1月のテーマ 目的を明確にして仕事に取り組もう!

目的がわかって行動するのと、わからずに行動するのでは、行動の中身も違ってきますし、やりがいも違ってきます。目的がわかれば、どうすればその目的が達成できるか、という工夫が生まれますが、そうでないと、ただ言われたことをこなす仕事になってしまいます。指示を出す立場の人は「言わなくてもわかるだろう」ではなく、なぜ、この指示が出ているのか、理解してもらう努力が必要です。木戸製本所であれば、お客様の印刷物をお預かりし、よりきれいに、より早く、よりお客様が納品しやすいように最終仕上げすること。ミューズであれば、お客様の想いを抱きしめていただける本という形に仕上げていくこと。常に仕事の目的「何のためにこの仕事をしているのか」を考えて工夫を生み出したいものです。

1月の方針 ビジョンに向けての目標を設定しよう!

先月の方針は、ビジョンシートを完成させよう!でした。今月はそのビジョンシートのビジョンに向けての具体的な目標設定をしていきましょう。遠い目標の達成のための、5年先、3年先、1年先の目標づくりです。その目標を具体的に明確にすることで、今年の目標、今月の目標、そして、そのために今日何をすべきかが明確になるように。幸せの実現のための目標を設定する月にしましょう。

2011年12月24日
(株)木戸製本所 代表取締役 木戸敏雄