甲子園の熱戦が終わり、今年の夏も終盤戦です。8月は新年度のスタート、そして、入船製本工房がオープンしました。慣れない仕事や新しい役割での仕事に皆さんで取り組んでいただいていることに感謝しております。今年度は、全社の黒字化達成のため、数字を意識して仕事をしていくことを方針としていますので、時間、生産性、売上、受注という数字の目標を明確にして仕事に取り組んでいただくようお願いいたします。

入船製本工房はオープンから3週間がたちました。考え方や仕組みは評価されているものの、実際の仕事はまだ1点のみで、現実は甘くはないです。しかし、入船製本工房のミッションを自分自身に言い聞かせて、必ず成功させるために、小さな出会いを大切に、積み上げてまいります。

オープンの様子と私の入船製本工房への念いは、今週の製本紙工新聞に記事として取り上げていただきました。

入船製本工房は二つのミッション(使命)をもって開設しました。

ひとつは、印刷がオフセット印刷からデジタル印刷に変わっていく中で、製本後加工をより便利なサービスとして提供することで、デジタル印刷の発展を支えていくこと。

ふたつ目は、紙で伝えなくてはいけない情報は今後減っていき、特別な情報のみが紙で伝えられていくようになります。紙で伝える、本で伝える、その印刷物の価値を製本加工することで高めていくこと、です。

ひとつ目の「製本でデジタル印刷の発展を支えていく」ですが、今後、いろいろな会社でデジタル印刷機は普及していくでしょう。印刷会社も小規模な印刷会社はオフセット印刷の入れ替え時期にオフセット印刷機ではなく、デジタル印刷機に入れ替えていくことが多いと考えられます。今まで、印刷を外注していたデザイン会社や制作会社も社内で印刷をするようになります。ある程度の社員規模の一般の会社では報告書やプレゼン資料、簡単なチラシなどは社内印刷しています。出版社もすでに大手出版社は社内でのデジタル印刷製本の仕組みはもっていますが、今後は中堅の出版社も自社内で印刷していくことでしょう。その時に必要なサービスが、後加工である製本です。デジタル印刷の発展のためにはプロ品質の製本サービスが必要なのです。

ふたつ目の「印刷物の価値を製本加工することで高めていくこと」は、普通の無線綴じより、PUR糊を使った無線綴じの本は見やすく使いやすい本となります。表紙をハードカバーにして上製本にすれば高級感が出ます。アルバム製本することで、見開きでダイナミックな絵や写真を表現できるようになります。ただ単に情報を伝えるだけなら、スマホやタブレット端末にかないません。そして、アマゾンやメルカリなど、探したいものをAI人工知能が人に変わって探してくれることとなり、情報を探す手間もなくなります。紙をめくりながら欲しいものを探すこともなくなり、結果として紙での情報提供は減っていくでしょう。そして、紙での情報伝達は高級な情報だけとなっていきます。東京に入船製本工房のような工房を多店舗化することで、付加価値の高い本づくりの情報を多く発信することができます。直接店舗からではなくホームページのアクセスが増えることで、新潟の印刷製本設備を活用できるようになります。そして、印刷製本の仕事だけではなく、出版の仕事、本づくりのシステム開発の仕事にもつながっていくことになります。

この度の入船製本工房開設には、株式会社サクライグラフィックスシステムズの櫻井次郎太常務との印刷組合の会合での話がスタートになりました(櫻井常務の会社はオフセット印刷機のメーカーではありますが)。櫻井常務から「東京の製本会社は廃業するところも多く、サービスも質が高いとは言えないので、木戸製本所のようなきちんとした会社に東京で製本会社をやってほしい」というリクエストをいただいたのです。私は「価格・品質・納期」の決定権がない製本から、「価格・品質・納期」の決定権のある本づくりへという方向を見ていたので、最初は東京で製本はありえない、と考えていました。しかし、営業品目をデジタル印刷以外は捨てる、お客様が一番困っている引取納品の仕組みを作る、価格の見える化と発注のデジタル化、この三つを組み合わせることで新しい可能性がある、そして「価格・納期・品質」の決定権のある仕事ができると考え、東京進出を決めました。

進出にあたり、東京都中央区中央小学校の前という抜群の立地の工場を特別な家賃で貸していただいている長光堂製本の佐立社長、「東京に出店したいけど、夫婦で、東京で、仕事してみないか」という悪魔のささやきに乗ってくれた上原夫婦、上原夫婦が抜けてもその分をリカバリーしてくれる木戸製本所の皆さん、入船製本システムを特別価格で開発してくれたGiHの皆さん、本当にありがとうございます。そして、デジタル印刷に15年前から取り組んでいたおかげで今回の発想が生まれています。これからもデジタル印刷の仕組みを一般企業などに伝えていくことで、新たな仕事が生まれます。ミューズの皆さんにあらためて感謝するとともに、今後もアドバイスをお願いします。

皆様の応援で立ち上がった入船製本工房です。必ず成功させて当社グループの未来を拓きます。

 

9月のテーマ

ムダを省いて効率の良い仕事をしよう!

他の会社を見学に行くと、この会社はなぜこんなムダなことをしているのかと気づくことがありますが、それと同時に、この会社はこんなに効率よく仕事をしていてなんと当社はムダなことをしているのか、と気づくこともあります。どちらかというと模範的な会社を見学に行くので後者のほうが多いのですが。

私たちは、毎日している仕事の中で、ムダがあってもムダになかなか気づくことができません。壊れた機械のムダに慣れ、ミスしてやり直すムダに慣れ、セット待ちの時間に慣れ、結論の出ない会議に、慣れているかもしれません。毎日の業務に疑問を持ってください。他社を見に行きましょう。特に上司の方は高所から仕事を見てムダがないか考えてください。ムダをなくそうと考えることで仕事の質が大きく変わります。