この4月より、新入社員が入社しました。入社おめでとうございます。

仕事に慣れ、仕事を覚えていくことは、今までの学生時代とは違い、慣れるまで大変ですが「常にチャレンジしていく」というスピリッツを持ち続けて、本づくりを楽しんでいってほしいと願っています。

新入社員教育の一つとして、毎週月曜日、30分ほどですが社長面談を行っています。

今週は「先義後利」という話をしました 。

1736年創業で300年近く続く大丸百貨店。その創業者である下村彦右衛門は、荀子(荀子は、孔子が亡くなってから百数十年後に活躍した思想家)の言葉を商いの根本精神としていました。「顧客第一主義に徹すれば、利益は自ずからついてくる」の考えである「先義後利」を大丸の店是に定めたそうです。

「常にお客様と社会のことを第一に考え行動していれば利益は自ずと生まれてくる」。簡単なことではないのですが、企業を継続していくには最も大切なことだと私は考えています。もともと、仕事は「金を稼ぐための手段」ではなく、「人や社会が困っていることを解決したら、報酬をもらってしまった」ことが原点です。

ところが私は、いつの間にか、売り上げをあげるために何をするか、という逆の考えをすることがあります。「溺れる者は藁をもつかむ」であり、「貧すれば鈍する」なのです。これでは会社が良くなるはずはありません。

私も、本質的にはお客様の困りごとを解決していくことが仕事だとは理解しているのですが、毎月の数字を見ると、どうしたら売り上げが上がるか、という発想に陥ります。修行が足りません。

世の中も、企業による犯罪が後を絶ちません。汚職・データ書き換え・粉飾・詐欺・賞味期限改竄などは、荀子の言葉を借りれば「利を先にして、義を後にする者は、辱めをうける」「辱めをうける者は、常に窮する」ということになります。

当社の創業者、木戸新太郎は、お客様からの「こんな仕事はできないか」「もっと早くできないか」という注文に応えて、仕事の幅も広がり、従業員も増え、新しい機械設備をしていきました。創業の精神に書いてあることですが、私たちも創業の精神に立ち返り、常にお客様と社会のことを第一に考え行動することを忘れないようにしたいものです。

私は東京で、全国製本工業組合連合会のビジョン委員会に入れていただき、製本業界の将来のビジョンについて考え意見交換をさせていただいています。印刷製本業界のマーケットは縮小していきますが、出版とか、商業印刷以外の新しいマーケットが無いわけではない、という希望を持つことが大事だと思っています。それにはいろいろとチャレンジしていくことが必要です。

オフィスの製本需要もあるかもしれません。入船製本工房は、引取納品のインフラとウェブで見積り発注できるというインフラを持っているので、そのインフラを使って、東京都内に二人程度でできる製本工房を100店くらい作ったら、廃業する製本会社の受け皿になれるかもしれません。

今年からプロジェクトの皆さんが考えてくれているCS(カルチャースクール)プロジェクト。今までは制作を印刷会社や出版会社に頼むから、本づくりの価格が高くて作れなかったけれど、CSに参加し自分で学んで、自分で編集して本を作れば、自分の余っている時間を楽しく使って安く本を出版することができます。今までの本づくりの概念を変えていく仕組みが作れるのではないかと思います。

まだまだ、新しい本づくりの可能性はたくさんあります。キーワードは「本づくりを楽しむ」なのです。

「貧すれば鈍する」の反対語は「貧にして楽しむ」です。「貧にして本づくりを楽しむ」を実践していきます。

 

5月のテーマ

報告・連絡・相談・確認を徹底しよう!

13の徳目5月号の冊子11ページ12ページを読むと

報告とは、指示や依頼に対する経過や結果を伝えること。報告は義務です。

とあります。確かに報告は仕事をする上では必要なことで、お給料をもらううえでしなければいけないことです。報告しない人は給料をもらう権利を放棄したといえます。仕事上には、いろいろな種類の報告があります。改善報告、お客様との面談の報告、セミナーの受講報告、出張報告など。受注伝票も一種の報告であり、確認書類でもあり、連絡書類でもあります。

「報告・連絡・相談・確認」で大切なことは、いかに仕組み化していくかです。必ず報告が出る仕組み。必ず確認する仕組み。定期的に部下が上司に相談できる仕組み。必ず変更事項が連絡される仕組み。仕組み化されないことは属人化された仕事に多くあります。仕事がある人しかわからない、ではなく、見える化され、数値化され、誰でもわかるようにしていくことも「報告・連絡・相談・確認」では大事なことだと思います。