令和を迎えて最初の社長通信になります。新しい時代が平和な時代であり、当社にとって飛躍の時代になることを祈ります。

 私は、昭和を30年生き、平成を30年生き、そして令和を30年生きる、予定です。平成という時代は、停滞の時代と言われていますが、私にとっては多くを学ばせていただき、私自身も当社も成長させていただいた時代でした。平成に感謝です。

 1999年までの平成最初の10年間は、当社が一番成長した期間でした。バブル崩壊はありましたが、2度の工場の増築、売り上げもそれまでの1億円の売上が倍の2億円を超えます。世の中のニーズと当社のサービスがマッチしていた時代だと思います。しかし、すでに出版不況が始まり、少年ジャンプは全盛期1995年の653万部から2000年には400万部をきります。出版も1996年に2兆6564億円のピークを迎え、その後減少が続きます。印刷業界も1991年の出荷額8.9兆円をピークにその後減少し続けます。

 2009年までの次の10年は、いよいよネットの時代に入り、印刷もデジタル印刷が現れました。印刷業の出荷額は減少しますが、当社は2006年まで売り上げは2.4億円まで伸び続けました。第2工場の取得、ODP事業部(後の株式会社ミューズ・コーポレーション)を開設。製本だけではなく、自立し、自律できる会社に向けてスタートを切ります。経営計画を作り始めたのも1999年からでした。

 そして、2019年まで平成最後の10年間。スマホの時代になり、GiHを設立。印刷会社様の製本内製化が進み、製本部門は大苦戦の10年間でした。ミューズも5000万円の売り上げを一時は超えますが、安定というか低迷。目標の1億の売上がなかなか遠い。昨年度の平成18年度の製本の売上は1.5億円。平成2年の売上が1.4億円。失われた30年、とも思いますが、この30年間で学んできたことを令和の新しい時代に活かし、飛躍につなげていきます。

 昨日から毎週1回10回コース、19時からの勉強会に参加しています。今更ではありますが、経営について勉強します。昨日の第1回の講義では「良い仕事」の定義を教えていただきました。「良い仕事」とは「①お客様が喜ぶこと ②働く周りの仲間が喜ぶこと ③工夫」この三つに集中することが会社をそして社会をよくする本質である。良い仕事をして、良い会社になれば、自分も豊かになる。「顧客第一主義に徹すれば、利益は自ずからついてくる」の考えである「先義後利」の話を先月の社長通信に書きました。同じことですね。

 お客様は、私たちの売り上げを上げてあげようと、仕事を発注しているわけではないのです。お客様の困ったことを解決してくれる対価として、また、お客様を気持ちよくさせてくれることの対価として、お金を払ってくれます。売り上げが伸びないとは、お客様の望んでいるサービスが提供できていない、ということです。または、そのサービスがあるということを伝えきれていないということです。売上を追うな、仕事を追え、です。

 本年度もあと2ヶ月となりました。今年を振り返るとともに、今、私たちのお客様は何を求めているのか、今後、本づくりはどのように変わっていくのか、仮説を立てていくことが必要です。正解はだれも持っていませんが、世の中に高く感度の良いアンテナを立てると、少しはその仮説の精度が上がっていきます。世の中について、お客様について、本づくりについて、知る努力をしていく必要があります。

 そして、「①お客様が喜ぶこと ②働く周りの仲間が喜ぶこと ③工夫 」という良い仕事をしてよい会社になり、働く私たち全員が豊かになれるよう、これからの会社の進むべき道を皆さんと考えていきたいと思います。

 

6月のテーマ

お客様からの信頼を積み重ねよう!

 私が木戸製本所に入社したときは、すでに会社が30年以上存続していたので、仕事があるのは当然でした。仕事が多い時は、断ることも当然だと思っていました。

 その後、ミューズ・コーポレーションを立ち上げましたが、お客様はゼロからのスタート。「今までのオフセットで印刷する高コストの小部数の出版から、オンデマンド印刷で可能になる低コストの出版がお客様のためになるはず」との思いで、いろいろな方法で知っていただく努力をしましたが、結局、丁寧に一人ひとりの本づくりをお手伝いさせていただき、小さな信頼を積み上げていくことで、お客様が増えていきました。

 一昨年から入船製本工房を立ち上げていますが、同じように、なかなか知ってもらうことができずにいます。しかし、同じように小さな信頼を積み重ねていくことで、少しずつ仕事が増えてきました。

 このように、信頼されるには、時間がかかります。しかし、ミスや不具合や対応のまずさなどで信頼を失うのは一瞬です。一人一人がお客様に信頼されるよう、本づくりを楽しんでほしいと思います。

 皆さんは、どのような会社に信頼を感じますか。皆さんが感じるように、信頼される会社でありたいと思います。本づくりを楽しむスピリットを持ち、良い製品を作るために、良い接客をするために、良いシステムを開発するために、新しい難しいにチャレンジしてください。