暑い日が続きましたが、社員の皆さんには体調管理をしっかりしていただき、業務を進めていただけたことに感謝申し上げます。

 私が見るテレビは、朝のNHKのニュース。そして録画してでも見ているのが、NHKの朝ドラです。今年の「なつぞら」は記念すべき100回目の朝ドラ。過去の出演者も多く出演し盛り上がっていますが、残り1か月となりました。昨年の朝ドラは「半分、青い。」。失敗にめげずに何度でも立ち上がる主人公鈴愛の人生。彼女の夢を追う姿や恋愛模様など、見どころはたくさんありましたが、最終的には「一人メーカー」として「そよ風ファン」という扇風機を発明します。この「そよ風ファン」という扇風機のモデルになった商品が、バルミューダという東京都武蔵野市にある会社のグリーンファンという商品です。

 比較的新しい家電メーカーであるバルミューダなのですが、2008年にリーマンショックの影響を受けて倒産寸前まで落ち込んでしまいます。そこで残った資金を使って「快適な扇風機」の開発に乗り出したのです。研究の結果、扇風機の風が心地悪くなってしまう原因は、風の渦であるということを突き止めます。しかし、プロペラの回転で風を巻き起こす扇風機の構造上、渦が発生してしまうのは仕方のないことでした。そこで渦を壊すことのできる扇風機を開発するべく研究を重ねた結果、二重構造の羽根という結論にたどり着いたのでした。

 「理念と経営8月号」「特集 今求められる未来を見通す力」(18ページ~20ページ)にこのバルミューダという会社が少しだけ紹介されています。過去10年で売り上げが1000倍に伸びた会社として。

 この特集では、–商品が売れる理由は、「役に立つ」と「意味がある」の二つだけだが、今までの「役に立つ」商品が売れていた時代から、「意味がある」商品が売れる時代になってきている、と書いてあります。そして、このバルミューダは、デザイン性が高くイメージも良い「持っていることに意味がある」製品を目指してきたメーカーとして紹介されています。

 普通の価格重視の扇風機 VS バルミューダの扇風機。ホームセンターで売っているテント VS スノーピークで売っているテント。量販店で売っている掃除機 VSダイソンの掃除機。それぞれ「役に立つ」と「意味がある」の対比のように思います。

 特集では今の日本のように、「役に立つ」製品を作ることばかりに重きを置いていると大半の会社が生き残れなくなる。なぜなら、グローバル化した社会において、「もっとも役に立つモノを作った一社」だけが世界で一人勝ちするからだ、と警鐘を鳴らしています。

 印刷業界でも、「役に立つ」印刷は「プリントパック」が一人勝ちになってきています。私たちもすぐに方向転換はできないと思いますが、「意味がある」本づくり、つまり「本づくりを楽しむ」という方向に舵を切っていく必要があると考えます。では、私たちの会社が作る「意味がある本づくり」とは何か。抽象的な言葉ではあるけれど、ミューズの創業以来ずっと続けている「抱きしめたい本づくり」なのでしょう。では具体的に「抱きしめたい本」とはなにか。それは、これから私たちひとり一人が知恵を出し、私たちが育ててきた技術とサービスを活かし、私たちBEグループでなければできない「本づくり」だと思います。そのひとつのヒントが、カルチャースクールプロジェクトで取り組んでいる「自分で作る写真自分史」であり、そこから学習して、「スマホ」と「本づくり」をうまく組み合わせて「抱きしめたい本」を作っていけると面白そうだと思います。「自分にとって意味があるから買う」という「自己実現的消費」の時代です。誰にでも受け入れられる本づくりから、特定の人に、「BEグループでないとダメ」と言っていただける正しく美しい「本づくり」を目指していきましょう。

 

9月のテーマ

生産性の高い仕事をしよう!

 生産性については、何度かこの通信で書かせていただいていますが、仕事をする上でとても大切な考え方です。今までの日本は、低賃金長時間労働で、生産性の低い業種を守ってきました。しかし、これからは違います。賃金は上がり、長時間労働もダメ、さらに休日も増えます。残念ながら印刷製本業界は、生産性が下がってきていました。機械のスピードが上がっても、「もっとも役に立つモノを作った一社」だけが世界で一人勝ちする時代になり、価格競争で付加価値が下がっているからです。

 生産性とは、簡単に言うと「いかに小さい力で、多くのものを生み出せるか」ということです。10000冊の製本をするのに、いかに少ない時間で、いかに少ない人数で、いかに少ない電力で、いかに少ない材料で、作るか。ムダな一秒を減らす、一歩を減らす。目標設定をして、予実管理をする。整理整頓をして探す時間を減らす。チョコ停を無くす。待ち時間を無くす。などの、地道な改善が製造業の生産性を上げるポイントです。

 ミューズやGiHでも製造業的な視点での改善が生産性を上げることはもちろんですが、より大切なことは、付加価値の高い商品を創っていくこと。「自己実現的消費」の時代にマッチした商品を開発していくことです。