今年は5年に一度の国勢調査の年でした。前回、2015年国勢調査による10月1日現在の日本の人口は1億2709万4745人で、大正9年の国勢調査開始以来、初めての人口減少となりました。2020年の人口概算値は1億2588万人、5年で121万人減少。これは鳥取県と島根県の2県合わせた人口に匹敵します。人口減少、高齢化はますます進み、2020年から2040年の間に人口は1525万人減少します。

 『未来の年表』の著者河合雅司氏が、『未来を見る力   人口減少に負けない思考法』を出版されたので、少し紹介したいと思います。

 本著の、「むすびにかえて」の要約です。

 日本の人口をめぐる状況は悪化の一途をたどっており、一刻も早く手を打たないと、日本は間違いなく貧しい国となる。そんな状況下でのコロナ禍であった。まさに、弱り目に祟り目だ。東京一極集中の危うさや地方の医療体制の脆弱さ、行政のデジタル対応の遅れといった後回しにされてきた社会課題をいくつもあぶり出した。

 コロナ禍が突き付けた課題の数々は、同時に「人口減少を前提とした社会へのつくり替え」にとっても必要な改革課題である。日本が豊かさを維持するためには「戦略的に縮む」必要がある。

 コロナ禍を経験して、人々の価値観が変わり始めた。富を集め、物質的な豊かさを求めて走り続けた時代は終焉の時を迎えつつある。変わって、家族と過ごす時間や、「人間らしく生きる」ことを大切にする人が増えたなら、小さな国となることも悪くない。人々が自分の「居場所」と「役割」を見つけ、生きる喜びを噛みしめられる社会を実現できたならば、「未来」は再び希望へと転じよう。そうなれば、いつの日か少子化にも歯止めがかかることだろう。

 「戦略的に縮む」ことが、日本が豊かさを維持するためのキーワードです。

 人口減少することで、日本が今までと同じ量のものを生産することは難しくなります。しかし、質を上げることで、一人当たりの付加価値を高くしていくことは可能です。今、100人で1000万円の付加価値を創り出している会社が、人が減り50人になったので750万円の付加価値を創り出していくことを目指そうということです。一人当たりの付加価値は100人の場合は10万円/一人ですが、50人の場合は15万円/一人となり、一人当たりの付加価値は高くなります。簡単なことではないですが、日本が今後豊かさを維持するためには、イノベーションを起こし、高い付加価値を実現していくことが必要なのです。

 そして、そのイノベーションを起こしていくのは、私たちのような会社です。高い付加価値を創り出していくには、他社ができないサービス、商品、技術が必要です。そして、そういうサービス、商品、技術を創り出していく時間も必要になります。入船製本工房は現状仕事が少ないので、新商品を創り出すチャンスです。ミューズも、仕事は忙しいですが、視点を変えて、外の資源を有効活用することや、新しい人材の新たな視点を活かしながら、一つずつ、一歩ずつ、新商品づくりに取り組んでいってほしいです。そして、GiHは、未来のギフトを創造していくことを常に考えて、特に本づくりという分野で、世の中の困ったを解決できる視点を持ち、新たなマーケットづくりに向けて商品やサービスを作っていきたいですね。

 人口減少社会になり、私たちの会社も、会社が大きくなることを目指すのではなく、より高い付加価値を創り出していくことを考えていくことが大事です。しかし、小さくても強い会社にしていくためには、最低限の規模も必要です。その規模が、売り上げ1億円です。木戸製本所は今後縮小していくでしょうが、1億円の規模は何とか維持していけるように、新しい技術開発を急ぎたいと思います。ミューズも800万円/月の仕事量は少し見えてきているように思います。付加価値の高い、他社ではできないとか、webを使ったサービスとか、どこかとコラボレーションするとか、今までのやり方に囚われない仕事をクリエイトしていきましょう。GiHは、ストック型のビジネスの領域を広げることができるように、お客様の立場に立ったサービスの開発やサービスの改良を進めていきます。

 

11月のテーマ

相手の立場で考えてみよう!

 陽明学者の安岡正篤氏は、多くの政治家の「精神的指導者」「御意見番」であり、「首相指南役」でもありました。安岡氏は、物事を考えるときに、3つの原則があると言っています。

 第一は、目先に捉われないで、出来るだけ長い目で見ること。

 第二は、物事の一面に捉われないで、出来るだけ多面的に、 出来れば全面的に見ること。

 第三に、何事によらず枝葉末節に捉われず、根本的に考える。

 相手の立場で考えるというのは、第二の原則である、多面的に考えるということになります。私たちが提供しているサービスは、「私たちがお客様のためになる」という思い込みで考えても、自己満足のサービスになっている場合が多々あります。大切なのは、お客様の話をよく聞き、お客様が何を解決してほしいのかを理解することです。しかし、そう簡単にお客様は私たちに困っていることを教えてはくれないものです。

 お客様を好きになることで、お客様から信頼され、人間関係が生まれることで、情報を教えていただけます。相手の立場で考えるということは、相手を好きになることから始まると思います。